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パーム油発電って、環境にいいの?(1)

電球

化石燃料を使用せず、二酸化炭素排出量のすくない、気候変動の抑制に役立つエネルギーを再生可能エネルギーいいます。太陽光や風力が良く知られていますね。バイオマスという、生物資源を燃やすバイオマス発電も、再生可能エネルギーの一つとされています。

このサイトのテーマであるパーム油は、東南アジアで熱帯林破壊の最大の要因とされています。大量の炭素を含む泥炭地と呼ばれる土壌の開発や油を搾る工場の廃液、農薬・肥料の多用により、大量の温室効果ガスが放出。社会的にも土地をめぐる地元住民との争いや、強制労働・児童労働など多くの問題を引き起こしてきました。あまりに多様な問題と関わるため、「環境社会問題の見本市」と呼ばれることもあります。

そのパーム油が、日本で「再生可能エネルギー」源として燃やされていることは、あまり知られていません。現在少なくとも3カ所のパーム油のみを燃やす発電所が稼働しており、建設が終わって稼働待ちの発電所が1カ所、さらに廃食油などにパーム油をまぜて燃やしている発電所が数カ所あります。

工場

数は少ないのですが、発電に使うパーム油の量は、食用や加工品用とは比較にならないくらい多く、中型の発電所1カ所で年間6~7万トンを燃やすため、全体では現在18万トンほど燃やされています。日本の年間パーム油使用料は70万トンほどなので、既に4分の1が発電に使われているのです。建設終了し21年1月に稼働したHISスーパー電力の宮城県の発電所は、年7万トンを燃やす予定なので、これを加えると25万トンが毎年燃やされることになります。

これらのパーム油発電所は、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」という再エネ普及のための制度によって、電力を通常の市場価格よりだいぶ高い値段で販売できることになっています。その価格を支えているのが、私たちの電気代に上乗せされている「再エネ賦課金(ふかきん)」によってまかなわれいる補助金です。各家庭で払っている電気代の明細をよく見ると、「再エネ賦課金」と書かれているはずです。電気料金に応じて金額が変わりますが、月数百円から1,000円位の家庭が多いのではないでしょうか。つまり日本に暮らして電気を使っている人はみんな、一人暮らしで年7,000円、四人家族で14,000円ほどをエネ普及のために支払っています。

電気メーター

その一部がパーム油発電のためにも使われているのです。

生産にあたってたくさんの温室効果ガスを排出するパーム油を、さらに日本まで大量の化石燃料を使ってタンカーで運び、火力発電の燃料にすることは、本当に持続可能な再エネと言えるのでしょうか?

それについては、次のブログでお伝えしたいと思います。

by ゴジュウカラ

 

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