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パーム油産業はインドネシアの村のためになるの?

パームとトラック

パーム油産業はしばしば「インドネシア農村部の人たちの雇用を生み出している」と謳われます。そういった面を完全に否定するわけではありませんが、今回は開発の影響を受ける村人目線で負の側面についてお伝えします。

インドネシア(ボルネオ島)のとある村で、パーム油生産のためのアブラヤシ農園開発を受けた村の中で起こった出来事です。以下、インタビューに応じてくれた村の人の言葉で綴ります。

村

俺たちの村に最初にアブラヤシ農園開発がやってきたのは2010年頃だった。村人の土地が企業Aによって開発されたが、(集落から離れていることもあり)最初は誰も気づかなかった。気づいてからは、村役場を通して企業と交渉したり、デモ(抗議活動)もしたが、結局そのままアブラヤシ農園になってしまった。そして次に、2012年頃から企業Bによる開発の話が入ってきて、今度は集落に近い土地を新しく農園にするということだった。

プランテーション

 この件については、俺は自分の両親を含む村の多くの人たちと対立した。村人たちは、企業Aの件で、企業に対しても仲介した村役場に対しても信頼を失っていた。一方、企業Bは開発が村人の利益になることを約束してくれたので、開発に賛成した。俺は村中を回って「アブラヤシ農園ができたらどんな(悪い)影響があるか」について一軒一軒説明したが、「昔のように木材伐採や金採掘で食っていくことはもうできない。農園がなければ何の仕事がある?お前は私たちを食わせていけるのか?」と言われて返す言葉がなかった。

 結局開発が許可され、当初は村人の9割がアブラヤシ農園で働き始めたが、今では4割まで減り、他の仕事を探す人が出てきた。辞めた理由は、給料が低い割に重労働であることや、規則が厳しく従うのが難しいことがある。

by missy

アブラヤシ

このような出来事は過去の話ではなく、ボルネオ島やインドネシアの他地域で今もなおアブラヤシ農園開発が拡大していて、それに対する抗議活動や、抗議に参加した村人が不当に逮捕されるなどの人権侵害も起きています。パーム油が、そういった問題をはらんで生産された商品であり、その背景には日本を含む消費国の需要がある、ということを忘れないでいたいと思います。

>あぶない油の話

あぶない油の話

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