パーム油を取り巻くさまざまな問題を改善するために「認証制度」という仕組みがあります。「認証制度」は独立した第三者からのチェックを受けることで、一定の水準を満たしていることの証明を得るというものです。
パーム油の認証制度としては、RSPOが2004年に設立されて2007年に基準が作られました。RSPOは「Roundtable for Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)」の略称で、先進的な企業やNGOが中心となり設立した非営利組織です。
毎年、総会ではパーム油の持続可能性についての議論が行われます。
RSPOでの議論を通じて定められた原則と基準(P&C)と呼ばれる、いわば「持続可能であるためのルール」を満たしている農園にはRSPO認証が与えられます。
認証を受けた農園からのパーム油を使った製品には、RSPOの認証マークを貼り付けることで環境・社会問題に配慮して生産されたパーム油であることをアピールし、差別化を図ったりしています。
RSPO認証は自主的な取り組みなので義務ではありませんが、パーム油の問題に対して企業としての責任を果たすための国際的なスタンダードになりつつあります。
私たちの知っている日本企業の多くも、RSPO認証を受けたパーム油を使い始めています。まだそれほど多くありませんが、認証マークが付いた商品もお店に並んでいます。お買い物をするときにパッケージの裏を確認してみてください。
しかし、認証というものも人間が作って、運用しているものであり完ペキではありません。「RSPO認証があるなら問題はないのね!」と妄信するのではなく、「問題解決に向けて取り組んでいるのね!」くらいに考えてもらった方がいいかもしれません。
具体的には、問題が起きているのにチェックできないままに認証を受けていたり、あるいは、認証を受けていない農園のパーム油が混ぜられていても「認証油」と呼ばれていたりなど、さまざまな課題があります。
ここのあたりを詳しく解説するとちょっと長くなってしまいそうなので、また別の記事で取り上げたいと思います。